2025年3月12日(水)中濃教会聖書研究会(ヨハネの黙示録を読む会) ヨハネの黙示録 19章11〜21節
- 西川 幸作
- 3月14日
- 読了時間: 5分
聖書本文
そして、わたしは天が開かれているのを見た。すると、見よ、白い馬が現れた。それに乗っている方は、「誠実」および「真実」と呼ばれて、正義をもって裁き、また戦われる。その目は燃え盛る炎のようで、頭には多くの王冠があった。この方には、自分のほかはだれも知らない名が記されていた。また、血に染まった衣を身にまとっており、その名は「神の言葉」と呼ばれた。そして、天の軍勢が白い馬に乗り、白く清い麻の布をまとってこの方に従っていた。この方の口からは、鋭い剣が出ている。諸国の民をそれで打ち倒すのである。また、自ら鉄の杖で彼らを治める。この方はぶどう酒の搾り桶を踏むが、これには全能者である神の激しい怒りが込められている。この方の衣と腿のあたりには、「王の王、主の主」という名が記されていた。
わたしはまた、一人の天使が太陽の中に立っているのを見た。この天使は、大声で叫び、空高く飛んでいるすべての鳥にこう言った。「さあ、神の大宴会に集まれ。王の肉、千人隊長の肉、権力者の肉を食べよ。また、馬とそれに乗る者の肉、あらゆる自由な身分の者、奴隷、小さな者や大きな者たちの肉を食べよ。」わたしはまた、あの獣と、地上の王たちとその軍勢とが、馬に乗っている方とその軍勢に対して戦うために、集まっているのを見た。しかし、獣は捕らえられ、また、獣の前でしるしを行った偽預言者も、一緒に捕らえられた。このしるしによって、獣の刻印を受けた者や、獣の像を拝んでいた者どもは、惑わされていたのであった。獣と偽預言者の両者は、生きたまま硫黄の燃えている火の池に投げ込まれた。残りの者どもは、馬に乗っている方の口から出ている剣で殺され、すべての鳥は、彼らの肉を飽きるほど食べた。
まとめ
前回は19章1~10節を見てきました。ローマが大火の災いに遭い滅び、それによって神の僕たちが神と救い主を賛美し、祝宴を催すことができた。そしてヨハネは天使に命じられ、この祝宴を書き記したのでした。
今回はこの続きの内容となります。
11~13
そして、わたしは天が開かれているのを見た。すると、見よ、白い馬が現れた。それに乗っている方は、「誠実」および「真実」と呼ばれて、正義をもって裁き、また戦われる。その目は燃え盛る炎のようで、頭には多くの王冠があった。この方には、自分のほかはだれも知らない名が記されていた。また、血に染まった衣を身にまとっており、その名は「神の言葉」と呼ばれた。
ヨハネは再び幻を見ます。天が開き、白い馬とそれに乗っている方を見たというのです。「白い馬」というのは戦いに勝利した者が乗ることの許された馬です。そしてそれに乗る方は「炎」のような目をして多くの王冠を被り、血に染まった衣を着ており、「神の言葉」という名前があったというのです。この衣の血は十字架で流された血を表しており、「神の言葉」はヨハネ福音書1章1節にある「言(=救い主)は神と共にあった」と関連しており、「救い主イエス」を表していることがわかります。「誠実」、「真実」、「正義」、これらは「救い主」に備わっているものとされています。
14~16
そして、天の軍勢が白い馬に乗り、白く清い麻の布をまとってこの方に従っていた。この方の口からは、鋭い剣が出ている。諸国の民をそれで打ち倒すのである。また、自ら鉄の杖で彼らを治める。この方はぶどう酒の搾り桶を踏むが、これには全能者である神の激しい怒りが込められている。この方の衣と腿のあたりには、「王の王、主の主」という名が記されていた。
さらにヨハネは白い馬に乗った「天の軍勢」を見ます。これは勝利(ローマに勝利)したキリスト教会の人々を表しています。そしてこの人々は「救い主」に従っていたというのです。この「救い主」の口からは「剣」が出ており、「鉄の杖」を持ち、罪を抱く民を悔い改めさせるためにそれらを用いるというのです。特に口から出る「剣」は口から発する悔い改めを求める言葉のことと解釈できます。言い換えれば全能者である神の激しい怒りが下される、ということです。
17~18
わたしはまた、一人の天使が太陽の中に立っているのを見た。この天使は、大声で叫び、空高く飛んでいるすべての鳥にこう言った。「さあ、神の大宴会に集まれ。王の肉、千人隊長の肉、権力者の肉を食べよ。また、馬とそれに乗る者の肉、あらゆる自由な身分の者、奴隷、小さな者や大きな者たちの肉を食べよ。」
次には天使が現れ、空の「鳥」に語ります。「ローマの権力者の肉だけではなく、自由な身分の者や支配を受けている者たちの肉を食べよ」と。これは支配者、被支配者関係なく、罪を負った者は神に悔い改めをするように導かれる、ということです。
19~21
わたしはまた、あの獣と、地上の王たちとその軍勢とが、馬に乗っている方とその軍勢に対して戦うために、集まっているのを見た。しかし、獣は捕らえられ、また、獣の前でしるしを行った偽預言者も、一緒に捕らえられた。このしるしによって、獣の刻印を受けた者や、獣の像を拝んでいた者どもは、惑わされていたのであった。獣と偽預言者の両者は、生きたまま硫黄の燃えている火の池に投げ込まれた。残りの者どもは、馬に乗っている方の口から出ている剣で殺され、すべての鳥は、彼らの肉を飽きるほど食べた。
さらにヨハネは、ローマを表す「獣(竜)」とその獣に追従する「地上の王たち」や「軍勢(偽預言者もいる)」が「馬(白い馬)」に乗った「救い主」と戦うため集まった場面を見ます。その戦いは「救い主」の勝利となり、「偽預言者」を含む敗者は捕らえられ、「硫黄の火」に投げ込まれ命を終えます。このことで「偽預言者」に惑わされていた者どもが我に帰ることができたというのです。さらに他の支配者たちは「救い主」の「剣」に殺されたり、「鳥」に啄まれ命を追えるというのです。
今日の箇所では、ヨハネが見た幻で、「偽預言者」をはじめ罪を犯した者の行く末を感じることができます。神の目は、善人にも罪人にも注がれており、罪人が悔い改め、立ち帰ることを望んでいるのです。
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